教育

伝えることのプロとして

「自分の言いたいことが、自分の思った通りに伝わらなかったとき。伝わらなかった要因はどこにあるのか?」他者とコミュケーションを取る場面で、一度は感じたことのある疑問ではないでしょうか。

 私の仕事は「伝える仕事が9割」と思っています。一生かかっても100点満点になれるとは思っていないけれど、伝える仕事で対価をいただいている私は「伝えることのプロ」である自負と自覚をもって、自分なりに努力し、生活しています。

「自分の言いたいことが、自分の思った通りに伝わらなかったとき。伝わらなかった要因はどこにあるのか?」

 聞き手が悪い、タイミングが悪い、私の言いたいことはあなたが受け取ったことじゃない。 相手が聞いてくれなかったから、内容が小難しいから、私が伝えたいことはあなたにはわからない。

男女間でも、親子間でも、友人間でも、こういう思いになったことがあるのではないでしょうか。「自分の言いたいことが、自分の思った通りに伝わらなかったとき。伝わらなかった要因はどこにあるのか?」

 私は、自分の伝え方に大きな要因があると考えます。 相手に伝わらない=自分の伝え方が良くないんです。

「祝辞を贈る相手が聴いてくれるのは当たり前。だけど本来、スピーチっていうものは、ひとりでも多くの聴衆の耳に入って初めてスピーチになるのよ。もっと言うなら、ひとりでも多くの心をとらえてこそ、スピーチは完結する。」 ふと思い立って、原田マハ『本日は、お日柄もよく』 を再読し始めました。冒頭100ページまでで4回泣きました。

 誰に伝えたいのか。(who)
一番伝えたいことは何か。(what)
何故伝えたいのか。(why)
 ドンピシャな言葉は何か、語順はどうか。(how)

毎回きちんと考えているわけではありませんが「伝える」ための観点はこれかな、と思います。

「自分の言葉で誰かを変える」なんて、おこがましいも甚だしいけれど。迷ったり、困ったり、頑なだったりしている彼らに「こんな考え方もあるよ」と、言葉で心のドアをノックし続けたい。 

私の言葉が誰かに響いて「自分の言いたいことを的確に言語化してくれてうれしかった。しびれました。」とお褒めの言葉をいただいたときは、私の方が思わぬボーナスをいただいたようで「この仕事してて良かった」と心底思いました。自分の仕事に自信なんてまったくないけれど、素直に真摯に正直に、一所懸命やってれば、誰かには伝わるのだと思いました。

聴衆の空気、今日の彼らは何を求めているか。伝える内容や型は、よりシステマティックに。全員にハマることは難しいけれど、何かしら受け取ってもらえたら。そのための研鑽を怠ってはいけない。

「私には、意志がある。意志を伝える言葉がある。そして、それを皆さんに聴いていただける場所がある。」(『本日は、お日柄もよく』より引用。一部改変)
相変わらず失敗の繰り返しです。周りの先輩方や、後輩たちも上手くやってて、隣の芝生は常に青々として見えます。けれど、遠くにばかり目を向けていないで、ちょいと自分の足下も見てみようと思うのです。自分の芝生を手入れしなくては。

幸いにも私は、発信する場所を持っています。(SNS然り) 意志を揺るがさず、言葉を磨き、場所(聴いてくれる人たち)を大切にする。 伝えることのプロとして、言葉を扱うプロとして。自分の未熟さは忘れずに。 この長い独り言も、誰かの心に届いてくれたらと、願っています。